医学部の生徒や研修医向けに外科手術の様子を教える際は、実際に手術室に生徒を招き、講義する必要があります。しかしながら、予め患者の了解を得なければならず、また、患者に対し治療費の割引を行うこともあるため医療機関にとっては収入が減ってしまいます。さらには、手術室内の人口密度が高まるため感染症のリスクもあります。
Immertecは医療機関のこうした負担を減らすサービスを提供しています。契約した病院にはカメラとスマホアプリ、VRゴーグルが送付され、手術室に設置されたカメラの映像をタブレットやVRゴーグルを通して生徒が見ることができます。また、アプリでは手術の映像だけでなくレントゲン写真といった患者のデータを表示でき、手術に関する理解を深めることができます。複数人が同時にデータを共有することができるため、以前のように室内にいる研修医全員に様子を見せるために手術を中断するといった手間を省くことができるのも魅力的です。
Immertecは2017年に設立されて以降、医療関係のベンチャーなどから複数回にわたって出資を受けており、6億円以上の出資を受けており、社員数は数十名です。まだ収益化は勧めていないようですが、既に100を超えるアメリカの病院でサービスが展開されています。遠隔の医者の出張費を抑えられるというメリットもありますが、特に新型コロナウイルスの感染拡大がみられる中では院内感染防止の観点から注目されています。
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