世界的なパンデミックにより、多くの労働者が職を失っています。アパレル業界はもっとも影響を受けた産業の1つです。現状、世界で約3000億円以上の衣料品の注文がキャンセルされており、このままでは、それらの服は廃棄となり、埋め立てるしかありません。
そこに対して、Lost Stockは、70ポンド相当の売れ残った衣料品を35ポンドの福袋的な形で販売しはじめました。つまり「売れないと労働者にもお金が入らない」という問題に対して、売れる仕組みを作り、アパレル産業に従事する労働者を支援しているのです。
どのようにして始まったのか?
スコットランドでMallzeeなどのサービスを運営する起業家カリー・ラッセルは、ある時、バングラデシュのアパレル工場のオーナーの話を聞きました。
コロナウイルスで労働者が死ななくても、その先には餓死が待っている
すなわち、このまま服が売れないと、労働者の仕事もなくなる、という世界です。
カリーはそれを聞いて、自分が持っている人脈とリソースを使って、Lost Stockをはじめました。店舗を閉めたアパレル企業や在庫を抱えたブランドから在庫を買い取り、それをLost Stockの福袋(ボックス)で販売し始めます。
2020年6月25日、Lost Stockは、すでに96,000箱を販売しており、新しい国への展開も進めているとツイートしました。また、バングラデシュの地元NGO「SAJIDA Foundation」がLost Stockと提携しました。SAJIDA Foundationは、COVID-19の影響を受けたバングラデシュの5万人以上の家族を支援しています。
収益の内訳
以下は、ボックスの38.99ポンドがどのように分配されているかの内訳です。
– 37%はパートナーのNGO SAJIDA Foundationに寄付され、現地の労働者のために使われます。(£14.42)
– 30%は衣料品の生産地である小売店や工場に寄付されます。(£11.69)
– 12%は送料です。(£4.67)
– 9%はマーケティング目的でMallzeeのスタッフに行きます。(£3.50)
– 9%は物流や輸送に行きます。(£3.50)
生産者も買う人も、世界も助ける素晴らしい試みですね。スタートして数ヶ月にも関わらず、すでに10万箱が販売されたというのも驚きですが、これは多くの人々の助け合いの思いが現れた数字かもしれません。
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